あるもの
私が子供の頃、よく母親に「今日の晩ごはん、なぁに~?」と聞くと、本当にたまぁ~にでしたが「今日は、あるものよっ」という答えが返ってきました。
「あるもの」=「冷蔵庫にあるもの」「家にあるもの」「前日の残り」など。
食材を買い物に行かず、家にあるもので済ませる。
子供心ながらに、「今日の晩ごはん、テンションさがる~…」と思ったものです。
私の母は、忙しいながらもほとんど毎日のようにスーパーに行き、新鮮な食材を買って、美味しいものを作ってくれました。
だけど、母だって疲れる時もある。ラクをしたい時もある。
その気持ちがわかるようになったのは、私が母親になってからです。
今の私は、当時の母以上にラクをし自分の好きなようにさせてもらっていますが、私の母がしてきてくれたように完璧には母親業をこなせない不器用な人間です。
仕事でクタクタに疲れて帰って来る夫や、エネルギー有り余ってる元気な二人の子供たちのためにも何とか美味しいものを食べてもらいたいと思いますが、なかなか大変です。
スーパーに行く気力もない時は、私は冷蔵庫や食品庫をガサゴソとあさり、家にあるもので質でも量でも満足してもらえるものを作らないと…と頭を使います。
まさに今日はスーパーに行く気力ゼロでした。毎週火曜日は、大手スーパーの火曜市に行く私ですが、その元気もなし。
以前、作っておいて冷凍しておいたハンバーグのタネ。
以前、作っておいて冷凍しておいたミートソース。
昨日、買ってきて残っていたお惣菜屋さんのコロッケ。
数日前に買っておいたカット野菜。
冷凍庫に入れっぱなしだったウィンナーソーセージ。
まさに「あるもの」オンパレードですし、売っているものに頼っている状態のものばかりでしたが、なんとなくキレイに盛り付けし、食卓に出しました。
子供たちは「今日、なんか豪華!」と言って喜んで食べてくれました♪
盛り付けマジックです♪ 「あるもので作ったよ」とは一言も言いませんでした。
残っていたお惣菜屋さんのコロッケは、そのままレンジで温めるよりは、霧吹きで少しお水をかけてからトースターの低い温度でゆっくりと温めてください。サックサクのコロッケになりますよ♪
現代のお母さんはみなさんお忙しいと思います。
献立を考えるだけで疲れるし、なるべくラクしたいですよね。
自分で何もかも作ると気負わずに頼れるものは頼って、楽しい食事タイムを作ってあげてくださいね。
栄養は偏ることなく、バランス良く。
これからの季節はインフルエンザや風邪も流行しますから、ビタミンも多めに。
我が家の食後のデザートは、いまだに柿が毎日のように出ています。
「今日の晩ごはん、なぁに~?」と聞く子供たちの気持ちをガッカリさせないように、「今日は〇〇よ」と答えた直後の、子供たちの嬉しそうな反応を楽しみたいがために、私は「あるもの」で食事を準備する予定でも、なるべく「今日はあるものだよ」と言わないように心がけてます。
食事は、気分が上がるから美味しいんです。
みんなで食べるから美味しいんです。
家族みんなの気分を上げてあげることも、母親の役割なのかな…とも思ったりします。